融資方針に影響を与える債務者区分

1.自己査定による債務者区分

融資は、金融機関の貸借対照表では「資産」の項目になりますが、決算にあたっては、その「資産」回収見込みを把握する必要があります。したがって金融機関は、すべての融資先について、定期的に「資産の査定」を行っており、これを自己査定と呼んでいます。

 

自己査定においては、融資先を以下の6段階に格付けしており、この格付けを債務者区分といいます。

 

格付け 内容 金融機関の対応
正常先

債務履行に問題が無い企業

6区分ほどに分かれ、ランク

が下に行けば行くほど融資条

件は悪くなる

積極的
要注意先

業況が低調ないし不安定、

財務内容に問題があり、

注意を要する企業

保証協会付きなら

ば前向き

プロパーは厳しい

要管理先

要注意先の中でも、貸出条件

債務履行に問題のある企業

(リスケジュールを行って

いる等)

回収方針
破綻懸念先

経営難の状況にあり、

経営破綻に陥る可能性が

ある企業

融資対象外
実質破綻先

深刻な経営難の状況にあり

再建の見通しが立たないなど

経営破綻に陥る可能性が高い

と認められる企業

破綻先

法的・形式的な経営破綻の

状況がみられる企業

 

信用格付けは融資条件に影響を及ぼすものですが、債務者区分は融資先の融資方針に影響を及ぼします。融資方針とは、融資を行うか回収を先にするかという金融機関の姿勢のことであり、この債務者区分の変更は、会社の資金調達に非常に大きな影響を与えます。

 

2.融資方針に影響を与える債務者区分

債務者区分は銀行の内部的な評価指標にすぎないので、個別の融資判断は別です。債務者区分が悪化しても、融資することが妥当であれば資金調達は可能です。しかし、実際は異なります。債務者区分の変更は融資方針に大きな影響を与えます。

 

 

貸借対照表のチェックポイント

金融機関が嫌う3つの科目

貸借対照表のなかで、金融機関が嫌う勘定科目は以下の3つです。

これらの科目は、社外にお金が出ていくだけで、再び戻ってくるまでに時間がかかるためです。最悪の場合には戻ってこなかったり、戻ってきても当初の金額より少なくなるケースがほとんどだからです。

 

仮払金   貸付金   投資

 

①仮払金

経営者が飲食した交際費などで、領収書が無い場合があります。そのような場合、経理処理ができないため「使途不明金」として「仮払金」や「貸付金」で処理するケースが多いです。

 

②貸付金

例えば、経営者や役員の自宅購入の頭金として貸付を行い、返済されずに焦げ付いているケースや仲の良い取引先の経営者に頼まれ、一時的に資金援助を行ったが、回収不能になっているケースなどがあります。

 

③投資

借入金で投資を行うことを金融機関は非常に嫌います。投資は、自己資本の範囲内で行い、借入金では行わない方が賢明です。

 

損益計算書のチェックポイント

赤字は一過性か否か

最終利益が赤字であっても、その理由が一過性のものであることが説明できれば、問題はありません。つまり、今年だけの特殊な事情であるということを金融機関も考慮してくれるのです。決算説明の際は、その点を明確にして説明する必要があります。ただしその場合においても、営業利益が黒字であることが大前提です。

 

★赤字が一過性である理由の具体例

役員退職金を払った

固定資産を売却した

売掛先が倒産して貸倒処理を行った  など

 


保証約定書

金融機関から借入を行う際、基本的に債務者(法人)の代表者、経営者が保証人となります。保証人の差し入れ方には、以下の方法があります。

 

①包括根保証  ②限定根保証  ③特定債務保証

 

①包括根保証

包括の言葉通り、金額および期間を限定しない形です。金融機関から全ての借入に対して、半永久的に保証するものです。過去には、金融機関に対しての保証人の差し入れはこの形式を取っていましたが、現在ではこの形式ではなく、金額および期間を限定させています。

 

②限定根保証

保証の金額および期間を限定している形式で、現在の主流です。例えば、金融機関から複数の借入を行っており、元金1億円を借りていたとすると、1億5千万円ほどの金額を限定した保証を入れます。また、見直しの期間は3年ほどです。さらに、借入金が増えてきた場合、その都度見直しを行います。

 

③特定債務保証

借入を行う際、「金銭消費貸借契約証書」の保証人の欄に記名・捺印を行っているケースを言います。借入にひも付けになっている保証状態です。保証協会付き融資の場合は、これにあたります。

 

★金融機関の動きから読む自社に対する認識
状況 着眼点 具体的項目

緊急時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

非常時

担当者の動き

□新規提案をしなくなった

□担当者に上司が必ず同行するよう

 になった

□会社との面談記録の確認を行うよ

 うになった

組織的な対応

□各種の打合せに本社部門が同席

 するようになった

□本部経由での各種資料の依頼が

 増加した

□金融機関の担当窓口が変更に

 なった

融資条件

□融資手数料の比率が高くなって

 きた

□融資契約の期間が回を追うごとに

 短縮されている

□金利アップを要請された

保全

□受取手形についても安定銘柄だけ

 を裏書するようになった

□個人資産についてもいろいろと

 確認されるようになった

その他

□各種の大口取引に契約書の実物を

 見たいと依頼がきた

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